ネオンテトラの飼育と、その仲間たちについて。
ネオンテトラは大河アマゾンの源流域に生息する体長4センチあまりの美しい淡水の熱帯魚です。ネオンさながらのエレクトリックブルーは、まさに生きた宝石。熱帯魚の花形であるテトラ類の中でも、時代を超えて不動の人気を誇る観賞魚界のスーパースターです。
南米の奥地でネオンテトラが発見されたのは1936年。日本にも戦前から輸入されていて、当時は一匹の価格が初任給と同じくらいだったと聞いています。
かつては高値の華だったネオンテトラも、今では香港やタイなどの養魚場で大量に養殖され、安価でポピュラーな熱帯魚となりました。初心者でも飼育しやすく、それでいて、そのとびきりの美しさから、グッピーと共に熱帯魚の代名詞的な存在と言っても過言ではありません。
ネオンテトラには様々な改良品種も作出されています。もとがこれだけ美しい熱帯魚ですから、どの品種も特有の美しさを持っていて、思わず目を留めてしまうことでしょう。
改良品種の多くはある程度まとまって輸入されてきますが、同じ品種のネオンテトラでもいくつもの名前で呼ばれることが多い上に、ショップでも名前を取り違えられていたり、更には改良品種の中に新たな突然変異が含まれていたりすることも良くありますので、これらを網羅するのは意外に大変かもしれません。
こうしたバリエーション豊かなネオンテトラの改良品種を少数づつコレクションしてみるのもおすすめです。改良品種の中には滅多にお目にかかれないような珍しい突然変異が混じっていることもあり、ネオンテトラのコレクションには掘り出し物を探すような楽しみもあります。
また、ごく少数ながら野生のネオンテトラが輸入されることもあります。細身の体と鋭いブルーの発色は、遙かなるネオンテトラの故郷を彷彿とさせてくれるものです。
野生のネオンテトラが生息するのは、まさに秘境と呼べるような南米の奥地。昼なお暗い密林を静かにつたう細流には、今も野生のネオンテトラたちが青い輝きを放ち続けていることでしょう。